まさかのホツマ文字

先程、ささみさん＠がんばらないを視聴しました。実家にいるからサンテレビで見られたものの、京都にいる一月の間はしばらく見れそうにありませんけれど。
アニメの内容はともかく、驚いたのはオープニングです。全然本編とは関係なかったのでシャフトさん独自の演出だと思うのですが、何やら怪しい文字が出てきてましたね。この不思議な文字…これはヲシテことホツマ文字ですね。

こういうの。
漢字伝来以前、古くは縄文時代からあったと伝えられる日本固有の文字である神代文字の一つですが、これら神代文字についてはいずれも、上代特殊仮名遣が反映されていない、出土品にその痕跡がないなど、現在ではその存在が完全に否定されています。（先日聴講したシンポジウム『日本語の起源と古代日本語』でも、日本語タミル語起源説は笑いのネタにされていましたが、神代文字については全く触れられていませんでした。）ただ私の考えとしては、少なくとも仮名の用法が定着して以降、神事や暗号文など、特殊で限定的な用法で使われていたって事はあり得るんじゃないかと思っています。

五十音表に整理されてしまっているホツマ文字。しかも別の文献を見るとヤ行がヤヰユヱヨになっていたりする。高校程度の古文の知識でもおかしいってわかるんですけど！
というのも、私も三、四年前にこのホツマ文字をはじめとする神代文字について知って、縄文時代にまで歴史を遡るそのロマンに大変心ときめいた一人であります。特にホツマ文字については、文字のつくりが単純だったのもあり、すぐに覚えてノートの端っこなどに書いていた口であります。外出時に身に着けるウェストポーチには今でもこの五十音票のプリントアウトが挟まっていたりするのです。
さて、このホツマ文字についてですが、基本的な構造は子音を表す字母と母音を表す字母を重ね合わせることにより、一つの文字を形成するというものです。ハングルやインド系の文字に近いですが、重ね合わせるとはよく考えましたね。しかしながら研究者によるとこのホツマ文字は事象の象形でもあり、一部の固有語に対しては変体ヲシテという特別な字形が与えられています。これらはその法則をしばしば逸脱するうえ、同じ音に複数種類の異体字が存在していたりするので、私もちょっと覚えられていません。驚くことにこの『ささみさん＠がんばらない』のオープニング映像では、たぶん無規則にですがこの異体字が少し使われていたので、私もちょっと全部は読めませんでした。ということで、
http://woshite.com/code200_2.pdf
ここの異体字を含めたデータを使い、解読してみたところ、オープニングの最初に出てくる文字は次のようになりました。

ツヰヲソマ？カ〜エ
ノゴトハアクテロコ
エタナソルイアシサ
サメゴハクロフツヲ
リヰソ？〜ミスウガ
ホツマ文字は普通縦書きで表記されることが多いです。（正式には真中から渦を描くように外側に書いていくのが正しいそうですが…。）
しかしこの文字列を縦に読んでも横に読んでも、あるいは右から読んでも左から読んでも、私にはちょっと意味が通りませんでした。この文字列自体に意味はなかったみたいです…。
そのほかの場面に出てくる文字についても解読しましたが、私が原作についての知識がないのもあるのか、登場人物と直接の繋がりはないようでした。つまり、このオープニングではヲシテ文字がその意味に関係なく、意味深さとか目新しさとか、そういったデザイン上のインパクトを採用されて効果的に使われているようです。
私は文字が大好きな人間なので、それも文字としての形とかそこから生まれる美しさといったものにすっかり心酔してしまう人間なので、それまで人々の目に触れなかった文字がこのような形で再発見されるのはうれしい事ですね。現代の人たちは、日本語の文字とラテン文字以外の馴染みのない文字には、たちまち拒否反応を起こしてしまいますからね！こんなに美しくてかっこいいのに！！
そんなわけで、ちょっと面白い経験ができたオープニングでした。アニメ自体にも興味が湧いてしまったので、継続して視聴が出来ればいいのだけれど。
映像ばかりに気を取られてたけど、曲も結構良かったですね。アーティストのZAQって人は有名なのかしら？コメントがいっぱいついていたけど。

ホツマ文字（ヲシテ）についての研究者サイドの説明はこちら。
日本ヲシテ研究所
http://woshite.com/page1.html
以前にもフォントをダウンロードしようと思ったけど長らく配布されていない。けち！
ヲシテ文献（ホツマ）の世界へようこそ ＿ 池田 満の案内
http://www.zb.ztv.ne.jp/woshite/index.html
大変な情報量ですがちょっと読み切れませんね…読まなくていいから（良心）