夢流し

辺りはあまりに静かでも、頭の中はどんちゃん騒ぎ。京都の地に独り暮らし、苦節の学部生生活を送る京都大学生のブログ。文化、言語、娯楽、心理、生活等に関して、大学における教養科目の講義で得た知識を再解釈および適用し、その知を広く社会に還元することを目指す。

咲-Saki- 四巻までの感想

前に書いたとおり、僕はこの前漫画版『咲-Saki-』を四巻まで借りて読みました。
とても面白かったので、ここに感想(評価?)を書きます。ちなみに今までこういう類の話を読んだことがなかったので、感想・評価については個人的な好みが非常に大きく、比較性に欠けます。よって僕の意見にどうこう言われても困りますが。

きっかけ

咲-Saki-』を知ったのはやはりアニメ化ということでだったのですが、一時乗り気になっていた自分も放送局が受信のまずい東京テレビ系列ということで、ほぼ完全に見る気をなくしてしまいました。そのうえ、後に動画共有サイトを一通り検索しましたが総じて見ることはできず、ほとんど意気消沈していました。
そこで親が漫画を借りてきました。せっかく借りてきているのだからと読んでいきました。
ここで余談ですが、自分は漫画が読むのがかなり苦手です。というのも、ただでさえ強迫観念持ち気味で文章が読み進まない上に、絵がどんなふうに描かれているかとか、そういうものを研究しながら読んでしまう(絵を舐め回すように読むともいう)ので、一巻読むのにもだいぶかかります。それが今回は一日一冊ペースで読まないと返却日までに全部読み切れないということで、(期限があるとどうも読めるのですが、)すらすらと読んでいこうと思いました。
するとこれがなかなか面白い。麻雀のことはさっぱりわからなかったのですが、なんか面白そう。咲がカッコいい。キャラクターが良い。大会?気になる…
という感じで最終的に四巻まで読み切りました。

表現・絵

最初は「麻雀のシーンをどうやって漫画にするのだろう…」とも思った気がするのですが、うまく表現されてます。迫力あります。わからないなりにすげーと思いました。
絵についてですが、非常に丁寧に描かれています。最初表紙を見たとき、丁寧過ぎて?「うーんなんか違うなあー」と思ったのですが(実際多そうです)、内容の絵とは結構違うようです。キャラクターの絵がとても可愛いです。萌えます。漫画の絵というよりは、ギャルゲーなどの絵に近いかも。
それからここは皆さんあまり注意していないかもしれませんが、背景が非常に丁寧に描写されています。スタッフをみると別の人が描いているようです。プロフェッショナルが描いてるんでしょうか。舞台のノスタルジックな風景(一説には長野のどこか?)を、実に見事に表現しています。あんなに描くの大変だろうなあ…

キャラクター

まず、非常にギャル率が高いです。「これは男かな・・・」とか「この子は実は男の娘だったりして…」と思う子までおにゃのこですね。ストーリーにかかわる人物では男は今のところ京太郎しか確認してません。なんという。
実際に麻雀やってる人の性別の割合はどうなんだろう?読むまでは女子が麻雀やってるイメージは全くなかったのですが…
キャラクターは、非常にたくさん出てきます。というのは、主人公ならびに清澄高校の麻雀部のメンバー以外に、大会の出場者などでたくさん出てくるからです。可愛いキャラクターがたくさん出てくるので、いろいろと浮気してしまいます。こんな世界に住みたい!と、すごく思ってしまいます。
ちなみに個人的に好きなキャラクターは、タコス娘にキャプテン、それからステルスモモです。

ストーリー

ストーリーについてですが、本筋は清澄高校の麻雀部がインターハイを勝ち進んでいくという内容です。しかし、実はそれ以外で非常に厚みがあります。
というのは、特に予選の決勝戦において、それぞれのチームにエピソードがあるということです。キャプテンがメンバーを思い、メンバーはキャプテンを慕うといったチーム(具体的には風越女子高校)や、なんとか大会出場に漕ぎつけたチーム(鶴賀学園ですね)など、それぞれのチームに優勝に向ける熱い想いがあります。本流としては漫画は咲並びにそのチームにあるのですが、それぞれのストーリーを読むと、咲たちのチームに勝ってほしい思いもあるのですが、それとは対照的に他ののチームも応援したい気持ちになるのです。チーム戦ですから、「自分がここで大きく点を落としたら、みんなに迷惑がかかってしまう…!」という思いに感情移入してしまったり。感情移入というスキルはこういうところで有用です。それをかばうキャプテンとかいい話すぎる。泣ける。
こういうそれぞれのストーリーには、時に胸にぐっとくるものがあります。自分は漫画やアニメや映画で泣いたことは一度もないのですが、真剣に読んでるとけっこうきますねー。
それから前述したとおりギャル率が多いこともあり、百合もあります。おにゃのこ同士の絆っていいな…この漫画は自分に「百合」という可能性をも見出させました。
一番きたエピソードは、四巻終盤のステルスモモ、つまり東横桃子の話ですね。自分自身影の薄い子ですし、目立とうと努力したこともありましたから、すごい共感してしまうのと、モモの先輩への純粋な恩返しと感謝の想い。スキャンしておいたこの部分を見るたび、胸が熱くなるというか、目頭が熱くなるというか。モモちゃん素直でいい子ダナー。


こういうわけで、非常に面白く読ませていただきました。純粋に楽しめました。ひょっとすると漫画全冊買うことになるかもしれません。そうなると非常にうれしいのですが・・・
アニメ版も見れたらみたいです。今のところ予期せぬ事態により時間はありますのでw