夢流し

辺りはあまりに静かでも、頭の中はどんちゃん騒ぎ。京都の地に独り暮らし、苦節の学部生生活を送る京都大学生のブログ。文化、言語、娯楽、心理、生活等に関して、大学における教養科目の講義で得た知識を再解釈および適用し、その知を広く社会に還元することを目指す。

太鼓の達人 上達のヒント(その一)

世間での太鼓の達人の人気はますます高まり、ネット上でもたくさんのドンだー達が自分のハイスコアを披露したり、プレイ動画やマイバチの画像を公開したりしています。彼らはたいてい非常に熟練したドンだーであるわけですが、そこに至るまでの道のり、つまりどうやってそこまで上達したのかを伝授するまとまった記事は案外多くなく、その一方で、「おにコースの曲をクリアしたい」とか、「★いくつ以上の曲をクリアしたい」といった、上達を願うドンだーは多いと思います。そこで、私はまだ筐体では★×9の曲をクリアするのがやっとの、ようやく初心者を卒業できたかなというくらいのドンだーですが、これまでの経験を踏まえ、また大学で学んだ事柄から科学的にその有効性を照らし合わせた、太鼓の達人上達のコツというか、ヒントのようなものを、ここに書いておきたいと思います。ただし、あくまで私の熟達度の段階で言えることであって、基礎的な内容が多いので、私より達者なドンだーさんは「こんなの当然だろ!」ときっと思うはずです。でも根本的な考え方や科学的見地は、ちょっとは参考になるかなと思います。またこのような手順を踏めば必ずうまくなると言った確実な方法論ではなく、私の経験と周りの人たちの演奏から、こうした練習が良いだろうということをいくつか挙げるまでであることをご了承ください。
それではポイントを挙げながら、それぞれ解説していきます。なお、プレイヤーは右利きであることを想定しています。
あと、私はつい文章が長くなってしまいがちなので、読むのが面倒だという人は見出しと太字部分だけ読めば十分だと思います(^^;)

左手をうまく使う 〜右手にも一息〜

むずかしいコースくらいのプレイヤーや、おにコースの比較的簡単な曲を演奏しているプレイヤーの手の動きを見ていると、16分音符の「ドコドン」といったかたまりや、連打の時には左手も使うけれども、「ドン」が少し離れて現れる時や、「カッ」などは右手でしか叩いていない人が非常に多いです。確かに利き手の右手で叩く方が叩きやすく、タイミングも安定するのですが、おにコースの中でも一定以上難しい曲になると、「ドカドン」といったかたまりが流れてきたり、あるいは曲自体が速かったりして、右手だけではどうしても追いつかなくなってくるのです。これがおにコースの一つの壁で、ここでつまずいているプレイヤーはかなり多いように思われます。しかしながら、美しいピアノの演奏には左手の伴奏が絶対不可欠なように、太鼓の達人で高度な演奏をするのにも、要所で左手を使うことは避けられなくなってきます。左手をうまく使うことで、音符のかたまりもうまく処理できるようになりますし、右手ばかり使うことによる疲労も軽減することができます。
一つ『エンジェル ドリーム』の18小節目からAメロ後半部分を挙げて実証してみましょう。歌詞では「風の行く先を」の部分です。以降、譜面表記において「ドン」はで、「カッ」はで表すこととします。
まずは「カカッ」のところの二つ目の「カッ」だけは左手で、それ以外は右手で叩くことにすると、
     ○○ 
右 右 右 右 右 右左右 右
このようになります。太鼓は全部で9回叩いていますが、そのうち8回を右手で叩いていることになります。割合にして約89%、弱9割です。これだと右手ばかり動かすことになり、とても疲れてしまいますね。
それでは「ドン カッ」の部分で右手と左手を交互に叩く、つまり一つ目、二つ目、三つ目、五つ目の「カッ」を左手で叩くことにすると、
     ○○ 
右 左 右 左 右 右左右 左
このようになります。すると全部で9回のうち、右手で叩くのは5回、左手で叩くのは4回となり、右手を叩く割合は四捨五入して56%で、左右の手の使用度の差がかなり小さくなりました。この叩き方だと、右手は一度だけ「カッ」を、左手はずっと「カッ」を叩いていればいいので、腕自体の動きも小さくなり、体力も減らずに済むのです。大事なのは、右手ばかりに叩かせず、左手にもちゃんと叩かせてあげることです。左手でもちゃんと叩けることが、後々もっと難しい曲をプレイするにあたり、ますます重要になってくるのです。なお、この部分のメジャーな叩き方にはもう一つ、
     ○○ 
右 左 右 左 右 左右左 右
という叩き方もあります。いわゆる交互叩きというもので、この部分の音符の数は奇数個なので、「カカッ」の後から右手と左手の「ドン/カッ」の担当が入れ替わることとなります。これも慣れないうちは難しいのですが、曲自体非常に早くて音符も詰まっているような譜面で、利き手を叩く前の位置に戻すことが難しい場合に必要になってくる技術です。私は「カカドン」という複合が特に苦手なのですが、この叩き方をするとうまく対処することができるみたいです。人によってはこちらの方がやりやすいかもしれません。しかしそれはとりあえず置いておいて、まずは二つ目に紹介した叩き方を試してみましょう。こちらの方が楽なことがわかると思います。
一息に全部書こうと思っていたけど、とりあえずここまで。